「人口」・「持続可能性」・「人権」の関係についての考え方は、過去半世紀において大きく変わりました。そして、この変化は1994年にエジプトのカイロで開催された「国際人口開発会議(ICPD/カイロ会議)」に端を発しているといっても過言ではありません。なぜなら、この会議を境に、個人とその人権は、人口と開発に関する中心的な課題であることが国際的に合意され、さらに、性と生殖に関する健康/権利(SRH/RR)と、開発の様々な側面との関連性が新たな観点から捉えられるようになったのです。この人権重視の考え方に関する国際的合意は、その後に続く第4回世界女性会議(1995年)やミレニアム・サミット(2000年)などの、国際フォーラムや国際開発計画の礎となりました。
国際人口開発会議で採択された「行動計画」は、5年後(ICPD+5)の見直しにより追加された基準とともに、ミレニアム・サミットで採択された「ミレニアム開発目標(MDGs)」に影響を与えています。「行動計画」と「ミレニアム開発目標」は互いに補完関係にありながら、開発計画の基礎となっており、生活水準を高め、性と生殖に関する健康/権利を推進し、そしてジェンダー(男女の社会的性差)の平等を目指す国連人口基金(UNFPA)の取り組みと指針となっています。
国連総会により招集され、「カップルには、子どもの数と出産間隔を自由にかつ責任をもって決定する基本的人権がある」ことを合意した初めての国際会議。
すべての個人とカップルは、家族計画に関する権利を持つことを確認された。
1974年のブカレストにおける世界人口会議の多くの合意事項を再検討した上で承認し、「世界人口行動計画」を拡大させた。
世界の首脳が集まった、これまでの中で最大規模の会議で、「子どもの生存、保護および発達に関する世界宣言」が署名され、「行動計画」が採択された。
急速な人口増加は持続可能な開発の大きな妨げになると確認されたものの、家族計画のプログラムがなかなか受け入れられなかったため、この問題に対してどのような行動を取るべきかについての合意は得られなかった。
世界の人権擁護活動を強化するため、171カ国の代表が「ウィーン宣言及び行動計画」を採択した。
人口と開発分野において、個人の権利とウェル・ビーイング(良好な状態)を重視する画期的な概念を打ち出した。各国政府は、後に国際人口開発会議で採択された「行動計画」は、5年後(ICPD+5)の見直しにより追加された基準とともに、ミレニアム・サミットで採択された「ミレニアム開発目標の基本となる20カ年計画の「行動計画」を採択した。
前年に開催された国際人口開発会議で確立された、女性の権利とエンパワーメント(能力強化を通じた社会的地位の向上)の重要性が強調された。この会議の成果文書である「北京行動綱領」では、女性の平等に関する12の重要分野が明確にされている。
各国政府は、人間を開発の中心に据えるべきとするという新しい考え方に合意し、貧困、完全雇用、そして社会的統合が開発の主な課題であるとした。
参加国は、2015年までに世界の最貧国の人々が、よりよい生活を営むことができるよう支援することに合意した。この会議で採択された「ミレニアム宣言」に基づいて、8つのミレニアム開発目標の枠組みが設定された。
世界の首脳により、ジェンダーの平等、HIV/エイズ、性と生殖に関する健康(SRH)を、引き続き優先すべき開発課題とすることが改めて確認された。さらに、SRHを誰もが享受できるようにすることが、貧困を滅らし、ミレニアム開発目標を達成するための非常に重要な戦略であることも認識された。
1994年に開催された、国際人口開発会議は、女性の権利の歴史においても、人口と開発分野における歴史においても、画期的な会議といえます。人口は数の問題ではなく、1人ひとりの生活の質に関する問題であることが合意されたのです。この人権に基づくアプローチは、すべての人に価値があるという考え方を基本としています。また、女性のエンパワーメントはそれ自体が目的なのではなく、貧困を減らし、人口増加を安定させる一つの手段だということを明確にしました。SRH/RRは、女性のエンパワーメントの基礎となるのです。
会議では、人口統計学的な目標を達成することより、個人のニーズや権利に重点をおいた20カ年計画である「行動計画」が、参加179カ国により採択されました。そして、国際人口開発会議の提案や公約は、会議開催後5年目の見直しの際に、強化され、改訂されました。具体的な目標としては、2015年までに誰もが初等教育を受け、乳幼児と妊産婦死亡率を減らし、家族計画、助産師や産婦人科医の立会いの下で行われる出産、HIVを含む性感染症の予防などの、SRH関連のケアを必要とする人すべてに提供すること、などが含まれています。
2000年に開催されたミレニアム・サミットでは、189カ国の政府が、2015年までに世界の最貧国に対し協力して支援を実施することに合意しました。ミレニアム開発目標は、参加した各国首脳が採択した「ミレニアム宣言」に基づいています。相互に関連する8つの目標とそれぞれのターゲットは、子ども、人口と開発、人権、女性、社会開発、HIV/エイズ、開発のための資金調達に関し、1990年代に開催された国際会議など、数十年におよぶこれまでの経験と協議の成果と言えるでしょう。
ミレニアム開発目標は、すべての国と主要な開発関連機関によって合意された目標で、貧困を減らし、人々の生活を向上させるための、期限を定めて達成を目指す計画です。そして、各国政府、ドナー国、実施機関が開発を進める際の優先課題を示しています
2005年に開催された史上最大規模の世界サミットでは、ジェンダー(男女の社会的性差)の平等、HIV/エイズ、SRHを引き続き優先すべき開発課題であるということが、改めて確認されました。さらに、「2015年までに、誰もがSRH関連のケアやサービスが受けられるようにする」という指標が、新たに追加されました。