国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドからのメッセージ

国際女性の日を迎えて

2010年3月8日

「国際女性の日」を迎えた今日、家庭、コミュニティー、そして国を健全で良好な状態に保つために、大きな貢献をしている世界中のすべての女性に敬意を表します。

世界中のあらゆる場所で、女性は社会組織の担い手として、世界をより平等な社会に導いています。今日、より多くの女児が学校に通い、より多くの女性が国会や政府の要職に就き、そしてより多くの女性が有給の職を得ています。しかし、まだ真の意味での平等な社会を達成したとはいえません。

妊娠や出産による合併症が原因で、1分に1人の女性の命が失われている限り、私たちは女性の健康の推進と権利の保障に優先的に取り組まなければなりません。これには、性と生殖に関する権利を保障することが欠かせません。

数百万人もの女児が若年結婚を強いられている限り、私たちは差別をなくし、機会の均等を実現するために立ち上がらなければなりません。そのためには、教育を受け、個人の可能性を最大限に発揮する権利の保障が必要です。

女性と女児への暴力が横行し、それらが罪として罰せられずに看過されている限り、私たちは公平な法律の制定と施行を行い、正義を貫く努力が必要です。

男児を選別する傾向のため一億人もの女児の命が失われている限り、女児や女性への不当な扱い、差別、そして暴力をなくすため、真の変化を求めて力を結集しなければなりません。

ジェンダー(男女の社会的性差)の平等を達成するための取り組みは、現代のわれわれにとって最大の課題です。

本日の「国際女性の日」を迎え、女性の権利はまさに人権そのものであり、すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利において平等で、いかなる差別を受けることなく生きることが保障されているという信念に基づき、協力して前進していきましょう。

国連の創設者たちは、今から60年以上も前の1945年、国連憲章の中で男女平等についての指針を明確にしました。30年後の1979年、各国の代表は女性の権利を推進し、保障するための最初の包括的国際条約を採択しました。

1994年の国際人口開発会議(ICPD/カイロ会議)において、各国の首脳は性と生殖に関する健康と権利は、女性のエンパワーメント(女性の能力強化を通じた社会的地位の向上)、ジェンダーの平等、そして持続可能な開発に必要不可欠であると初めて宣言しました。

そして15年前の第4回世界女性会議(北京会議)では、平等、開発及び平和への必要かつ基本的な前提条件である行動綱領に、各国の首脳が同意しました。

今日、これらの合意文書の多くは、貧困を削減し、世界をより持続的な方向に導くために各国の首脳が合意した、ミレニアム開発目標(MDGs)に組み入れられています。さらに、これらの目標と合意文書は、政策立案者や一般市民に対し、現状からの変化を要求し、そして政府の公約への説明責任を求めるための基盤となっています。

国連人口基金はパートナー団体と共に、女性のエンパワーメント、ジェンダーの平等、そして性と生殖に関する健康と権利の推進に全力を尽くします。

かつてないほどの速さで新しい思想が流布する現代、男女が平等なパートナーとして革新的な解決策を模索すれば、世界が抱える問題の解決により近づくことが出来る、という考え方が通用する時がやっと到来したのです。

今日の国際女性の日に、そして今日だけに限らずこれから続く全ての日々も、女性のための前進はすべての人のための前進である、という展望を持って進んでいきましょう。

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