国連人口基金事務局長 ババトゥンデ・オショティメインからのメッセージ

「世界人道デー」に寄せて

2016年8月19日

この「世界人道デー」を祝し、危機にさらされている全ての人々と共に立ち上がり、世界的に一丸となって結束することを呼び掛けます。今年のテーマである「みんなでひとつのヒューマニティ」に合わせ、私たちは人類として一致団結しましょう。

私たちは、遠く離れた人々にも手を差し伸べ、弱い立場に置かれている人々を助け、1億3,000万人以上の人道支援を必要とする人々を支援するという責任を共有しています。その人々のうちの4人に1人は、女性や出産適齢期を迎えた少女です。

今日の人道的課題に対応するにあたり、国連人口基金(UNFPA)は救命活動、物資、性と生殖に関する健康に関する情報の提供を行い、ジェンダーに基づく暴力を未然に防ぎます。

UNFPAはパートナー団体と協力し、世界人道サミットにおける誓約を具体的な活動によって実現します。新しく提唱された「Compact for Young People in Humanitarian Action(人道支援における若者のための協定)」を通して、若者の重要性に注目し、若者の参画を確保するような施策を行うよう働きかけます。

差し迫ったニーズを満たすことだけではなく、リスク削減、平和構築、レジリエンス(強靭性)の強化、そして長期的開発支援までも視野にいれて活動を行います。

国家として、そして国際コミュニティとして持続可能な開発目標(SDGs)を実現するために取り組むことは特に重要です。SDGsを達成するためには、危機にさらされている女性や少女、若者たちに手を差し伸べなければならないのです。

昨年、マグニチュード7.8の巨大地震がネパールを襲った際には、UNFPAは迅速な対応を行いました。妊産婦の安全な出産を確保するために、200以上の保健医療施設に医療器具、リプロダクティブ・ヘルスキットを提供し、実に15万人以上の人々への支援を行いました。また、“女性にやさしいスペース”を14カ所設置し、10万人以上の女性や少女が安全に必要なサービスとカウンセリングを受けられました。

また、UNFPAはシリアにおける未曾有の危機を受けて、シリアとその近隣諸国における6,000件の出産を含む、毎月およそ20万ものリプロダクティブ・ヘルス・サービスの支援を行いました。さらに、ジェンダーに基づく暴力を未然に防ぎ、その被害者が負った精神的、身体的痛みを和らげるためのサービスも提供しています。

これらの支援は、私たちがパートナー団体とともに行っている活動のうちのほんの数例に過ぎません。しかし、まだまだやるべき事はたくさんあります。シリアのアレッポをはじめとする紛争地域では、医療機関を含むインフラ施設が攻撃の対象となり、救急医療を受けることのできる施設は非常に限られてしまっています。これにより、大きな犠牲を払わされるのは、女性たちなのです。

想像してみてください、家族のために食料や水を探しに出かけるために、自らを性的暴行の危険にさらさなければならない状況を。想像してみてください、妊娠して、命に関わるような問題がないように願いながら、たった一人で出産をむかえる気持ち、あるいは銃撃、空爆を恐れながらクリニックや病院を探す気持ちを。

現在、6,500万人以上が慣れ親しんだ場所から強制的に離れなければならず、そのうち2,100万人は難民となっており、その47%は女性、そして51%は18歳未満の若者です。そして、その一人ひとりが、自分と家族のより良い未来を求めて、家や持ち物、そして大切な人たちを残して国を去るという耐えがたい選択をしているのです。

すべての女性に安全な出産が保障されるべきです。しかしながら、人道的危機にある不安定な場所においては、毎日500人以上の女性と思春期の少女たちが、妊娠や出産が原因で命を落としています。健康に関するサービスへのアクセス、安全な出産、望まない妊娠やHIVの感染予防は、食料や水、避難場所と同じくらい重要なのです。

世界中の一人ひとりが、差別されることなく、人権を保障されるべきです。それにもかかわらず、危険にさらされている人々は、彼らの健康、安全そして尊厳を脅かすような耐えがたい選択を、日々迫られているのです。

Last updated: 2016-08-19