ODAクォータリー第19号(2007年9月)

都市化への適切な取組みが持続可能な未来への鍵

今年、国連人口基金が発表した『世界人口白書 2007』は、「拡大する都市の可能性を引き出す」と題し、全人口の約半数である33億人が世界の土地面積の約3%を占める都市に住んでいるという現状から、今後の人類の未来について考察しています。中小都市を含め人口が急激に増加している都市は、公害や日々増えていく廃棄物など、現代文明による深刻な環境破壊を引き起こす現場でもあります。また、都市は自然災害に対して非常にもろく、特に近年の気候変動の中、重大な緊急事態を招きかねません。さらに、気候変動による被害は都市の中でも貧困層に集中しがちです。例えば、2005年にハリケーン「カトリーナ」によって大打撃を受けたニューオーリンズでは、特に貧困層や高齢者が大きな被害を受けた様子が全世界に報道されました。

しかし、私たちは都市のあり方に取り組むことを避けて通ることはできません。確かに、都市における無計画な生産・消費や、不適切な都市統治は環境破壊を招きますが、都市の持つ機能を有効活用することにより環境問題を解決できる場ともなり得ます。私たちにとって必要なことは、貧困層への対応や女性の権利の拡充、環境悪化の防止をはじめとして、政府と市民とが協力して、中・長期的政策に取り組むことです。手遅れになる前に、世界の都市人口の約半数が暮らしている人口50万人未満の中小都市で本格的な都市政策を進め、都市の秘めている潜在能力を生かした対策をとるべきです。『世界人口白書 2007』は、私たちが今とるべき行動の重要性を訴えています。

『世界人口白書 2007』は国連人口基金東京事務所のホームページからダウンロードできます。郵送をご希望の場合、またはお問合せは下記の国連人口基金東京事務所にご連絡ください。

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Last updated: 2010-08-18