人間の安全保障基金

人間の安全保障基金とは、指定拠出金の一種であり、1999年に日本のイニシアティブにより、国連に設置された信託基金です。設立目的は、現在の国際社会が直面する貧困・環境破壊・紛争・地雷・難民問題・麻薬・HIV/エイズを含む感染症など、多様な脅威に取り組む国連などの国際機関の活動の中に人間の安全保障の考え方を反映させ、実際に人間の生存・生活・尊厳を確保していくことにあります。人間の安全保障基金に対し,日本は現在までに総額約 421億円(約3億8,008万ドル)を拠出しており、国連に設置された信託基金の中で最大規模のものとなっています。

2013年までに人間の安全保障基金の支援を受けたプロジェクトは52件です。

2013年10月~2016年9月 エクアドル

人間の安全保障基金(11)

タジキスタン北東に位置するラシュト渓谷に住む人々は、日々の生活もままならない状況に置かれています。1990年代の政治的過渡期の影響と紛争によって、この地域の生産力は大幅に落ち、食糧不足に陥りました。また、度重なる暴動と隣国アフガニスタンの影響を受け、経済再建とインフラへの投資は進んでいません。さらに、地震や雪崩、土砂崩れといった自然災害によって、人々の安全が脅かされているだけでなく、資産も失っています。特に遠隔農村地域では、電気、水、衛生設備が整っていないため、人々の栄養状態は悪く、最低限の医療も欠如しています。多くの男性が仕事を求めて海外に出る中で、適切な登録書類が十分でないため、母子家庭は経済的に困窮し、社会サービスを受けにくく、また、性的・身体的暴力の危険にさらされています。このような状況を受け、2013年7月、国連人口基金(UNFPA)は国連開発計画(UNDP)、国連児童基金(UNICEF)、国連ウィメン(UN Women)、国連世界食糧計画(WFP)と協力して、最も脆弱な5つの地域において、経済、食料、健康、環境、人間の安全保障の分野で、ラシュト渓谷の再建を目指すプロジェクトを開始しました。このプロジェクトによって、2015年6月までに48,000人の人々が直接支援を受け、18万人の人が間接的には恩恵を享受することが期待されています。
 このプロジェクトにおいてUNFPAは、人口統計データの収集、性と生殖に関する健康と家族計画に対する意識の向上、世帯の経済基盤強化のための能力開発、といった健康の安全保障に関する課題に取り組んでいます。さらに、女性の社会参加、障害者自身の福祉のための発言権、地域レベルでの政策提言と、アドボカシーによる開発を実現するために、コミュニティの能力強化を行っています。そして、現在までに以下の活動を行いました。

‐ジェンダー平等、性と生殖に関する健康、差別に関するトレーニングを9‐11学年の190人以上の生徒を対象に実施
‐現地当局代表、市民社会団体、リーダー40人以上を対象に、健康に関するデリケートな問題に取り組み、健康的な生活スタイル、差別のない行動、女性のエンパワーメントを促進するためのトレーニングを実施
‐人々のエンパワーメントと法的社会的サービスの質の向上、それに伴う生活基準の向上のためにヘルスフェアを開催。内科医、婦人科医、弁護士といった専門家から、無料アドバイスを受けられるヘルスフェアには600人以上(多くが女性)が参加

人間の安全保障基金(12)

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2012年10月~2014年9月 セルビア

人間の安全保障基金(7)

セルビア南西部のサンジャク地方には、過去20年にわたって、バルカン半島全域から難民が流入しました。難民・国内避難民・ロマ族は、仮設住宅での生活、もしくは不法滞在を余議なくされています。水や電気は不足し、農作物を育てる土地も十分ではありません。また、医療や教育などの基本的な社会サービスも受けられず、インフラと社会サービスへの投資も不足している状態です。そのため、現地経済は発展せず、若者の失業率は60%近くに達しています。このような状況を受けて、2012年10月、国連人口基金(UNFPA)は、国連開発計画(UNDP)、国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)、世界保健機構(WHO)と協力して、このサンジャク地方の脆弱なコミュニティに住む人々の人間の安全保障を改善するために、経済の安定と社会統合を促進するプロジェクトを開始しました。そして2014年9月までに、サンジャク地方の中心地であるノヴィ・パザルとその周辺に住む60,000人に対し支援を行います。
このプロジェクトにおいて、国連人口基金(UNFPA)はサンジャク地域の地方自治や、学校、文化センター、現地のユースオフィスや医療センターと協力して、ロマ族の若者の性と生殖に関する健康と権利・家族計画、またジェンダーに基づく暴力と家庭内暴力の予防に取り組んでいます。今までに、ピア・エデュケーション(仲間教育)として、家族計画をはじめとする性と生殖の健康とHIV/エイズを題材にした演劇と公式セミナーやワークショップをそれぞれ6回行い、14歳から20歳までの合計184人の若者が参加しています。

人間の安全保障基金(8)

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2012年8月~2015年7月 ニカラグア

人間の安全保障基金(5)

ニカラグアとホンジュラスとの国境に位置するアルト・ワンギー・ボカイ(Alto Wangki Bocay)は、3つの異なった先住民族の居住地であり、最も孤立している地域の一つです。住民の安全は保障されておらず、特に女性と子どもは、男女の不平等、低い識字率、予期せぬ妊娠、家庭内暴力、また経済的に自立していないため弱い立場に置かれています。多くの子どもたちは教育の機会を持たず、栄養不良に直面し、衛生状態が悪い環境で生活しています。また、市民権と公共サービスを受けるのに必要な出生証明書を持っていません。さらに、この地域の人々は選挙権を持っておらず、また根深い社会構造的な要因による異文化間の問題にも直面しています。土地・資産をめぐって、先住民族とメスティソ(混血)移民との間で緊張が高まっていることから、これらの問題はより深刻になっています。2012年8月から、国連人口基金(UNFPA)を含め、国連開発計画(UNDP)、国連食糧農業機関(FAO)、ユニセフ(UNICEF)、国際移住機関(IOM)は、協力して、アルト・ワンギー・ボカイ地域で、先住民族地域と農村地域の人間の安全保障を改善するためにプロジェクトを開始しました。このプロジェクトによって、極貧困と地理的孤立に直面する10,566人の先住民と2,625人の移民が直接的に支援を受け、またコミュニティワーカーによるサービスやインフラ整備によって約25,000人の人々が間接的に支援を受けるとされています。

このプロジェクトにおいて国連人口基金(UNFPA)は、アルト・ワンキ・ボカイ地域での女性への暴力に対処するために、先住民族の司法制度利用の促進と、女性への暴力予防に対する取り組みを支援しています。
司法制度利用を促す試みの一つに、先住民族社会での司法制度と国家司法制度を調和させるプロジェクトがあります。このプロジェクトは二制度間に連携と共有責任の認識を構築することを目的としており、それらは地域社会の能力強化、先住民族の権利に対する意識向上、特に暴力を受けた女性の司法制度の利用を促進することにつながります。
また、女性への暴力を予防する取り組みの一環として、3つの異なる先住民族女性団体が合同で行った、女性への暴力に対する戦略構築を支援しました。その戦略では、女性への暴力を予防するために必要な行動や、暴力を受けた場合に支援を求めるための方法などが取り決められています。さらに地域の有力者や指導者、女性協会、そして志願警察官を連携させ、医療・司法・警察の一体化した性暴力被害者の保健医療保護モデルを立ち上げ、実現させるよう推進しています。

人間の安全保障基金(6)

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2012年3月~2015年3月 ウズベキスタン

人間の安全保障基金(3)

ウズベキスタン北西部にあるカラカルパクスタンは、アラル海の環境汚染の結果、人々の生活環境が著しく悪化しています。アラル海は、かつては世界第4位の大きさを誇り、周辺地域の人々は漁業を営み、海水を灌漑用水として活用していましたが、現在は世界最悪の環境災害の一つとされています。なかでも、低収入、土地と水資源に広がる塩害、食糧不足、砂嵐、質の低い飲料水といった問題を抱える北部の地域では、人々の健康は害され、移住をするか、そうでなければ劣悪な生活環境に耐えなければならない状況に置かれています。このような状況を受け、2012年3月から国連人口基金(UNFPA)は、国連開発計画(UNDP)、世界保健機構(WHO)、国連ボランティア計画(UNV)、ユネスコ(UNESCO/国連教育科学文化機関)と協力し、カラカルパクスタンの貧しい農村社会に、経済、食糧、健康、そして環境の安全保障を提供するプロジェクトを開始しました。このプロジェクトにより、2015年3月までにカラカルパクスタンの中でも最も貧しく疎外されている3つの地域に住む約50,000人が直接的な支援を受けると同時に、494,000人の人々が持続可能な医療とガバナンスの向上によって、間接的な支援を受けると予測されています。
このプロジェクトにおいて国連人口基金は、2012年から毎年、ボランティアでピア・エデュケーターとなる100人の若者に対して5日間のトレーニングセミナーを開催しています。このセミナーでは、HIVや結核から身を守る方法と、性と生殖に関する健康・権利について学ぶだけでなく、同世代にその知識を広めるスキルも身につけます。過去3年間で計300人がトレーニングを受け、HIV感染予防と性と生殖に関する健康・権利の啓発活動を行っています。また、農村の女性たちの経済的エンパワーメント、起業家精神、そして自立性を高めるために、カラカルパクスタンの女性委員会の代表、NGO、自治区の指導者、若者グループに向けて5日間のトレーニングセミナーを行いました。

人間の安全保障基金(4)

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2011年11月~2014年11月 コンゴ共和国

人間の安全保障基金(9)

2011年11月、国連人口基金(UNFPA)は、国連食糧農業機関(FAO)、国連開発計画(UNDP)、ユニセフ(UNICEF)、世界保健機構(WHO)と協力して、コンゴ共和国プール地方の平和統合と社会的安定を目指し、社会的・経済的弱者の持続可能な生活を支援し、人間の安全保障を推進するためのプロジェクトを開始しました。コンゴ共和国は、2003年の平和協定以降、徐々に復興していますが、貧困、食糧・飲料水不足、公衆衛生サービスの欠如、収入を得る機会が限られていること等、様々な問題を抱えています。さらに元戦闘員の社会復帰が遅れている地域では、犯罪や暴力が増えています。これらを受けて、このプロジェクトは、雇用の創出、衛生サービスの改善、ヘルスケアへのアクセスの向上、学校設備の改善、母子栄養支援の促進、平和共存のための枠組みの構築、ジェンダーに基づく暴力の防止を目的としています。このプロジェクトにより、2014年11月までに約120,000人の人々が支援を受ける予定です。
 UNFPAは、ジェンダーに基づく暴力の防止と暴力の被害者の医療的・精神的なケアを担当しており、2014年6月までに主に以下の成果を挙げました。

- 669人の政策立案者がプロジェクトに参加しました。
- 10,291人が心理学者によるプログラムに参加し、ジェンダーに基づく暴力についての認識を高めました。
-ターゲット地域に住む350人が、コミュニティ連絡係としてのトレーニングを受けました。
-ジェンダーに基づく暴力の現地委員会が5つ設立され、2013年1月から運営を開始しました。
-ブラザヴィル地域にあるマケレケレ病院・ジェンダーに基づく暴力ユニットによって、11人の被害者が移送されサポートを受けています。

人間の安全保障基金(10)

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2011年11月~2014年11月 タジキスタン

人間の安全保障基金(13)

タジキスタン北東に位置するラシュト渓谷に住む人々は、日々の生活もままならない状況に置かれています。1990年代の政治的過渡期の影響と紛争によって、この地域の生産力は大幅に落ち、食糧不足に陥りました。また、度重なる暴動と隣国アフガニスタンの影響を受け、経済再建とインフラへの投資は進んでいません。さらに、地震や雪崩、土砂崩れといった自然災害によって、人々の安全が脅かされているだけでなく、資産も失っています。特に遠隔農村地域では、電気、水、衛生設備が整っていないため、人々の栄養状態は悪く、最低限の医療も欠如しています。多くの男性が仕事を求めて海外に出る中で、適切な登録書類が十分でないため、母子家庭は経済的に困窮し、社会サービスを受けにくく、また、性的・身体的暴力の危険にさらされています。このような状況を受け、2013年7月、国連人口基金(UNFPA)は国連開発計画(UNDP)、国連児童基金(UNICEF)、国連ウィメン(UN Women)、国連世界食糧計画(WFP)と協力して、最も脆弱な5つの地域において、経済、食料、健康、環境、人間の安全保障の分野で、ラシュト渓谷の再建を目指すプロジェクトを開始しました。このプロジェクトによって、2015年6月までに48,000人の人々が直接支援を受け、18万人の人が間接的には恩恵を享受することが期待されています。
 このプロジェクトにおいてUNFPAは、人口統計データの収集、性と生殖に関する健康と家族計画に対する意識の向上、世帯の経済基盤強化のための能力開発、といった健康の安全保障に関する課題に取り組んでいます。さらに、女性の社会参加、障害者自身の福祉のための発言権、地域レベルでの政策提言と、アドボカシーによる開発を実現するために、コミュニティの能力強化を行っています。そして、現在までに以下の活動を行いました。

‐ジェンダー平等、性と生殖に関する健康、差別に関するトレーニングを9‐11学年の190人以上の生徒を対象に実施
‐現地当局代表、市民社会団体、リーダー40人以上を対象に、健康に関するデリケートな問題に取り組み、健康的な生活スタイル、差別のない行動、女性のエンパワーメントを促進するためのトレーニングを実施
‐人々のエンパワーメントと法的社会的サービスの質の向上、それに伴う生活基準の向上のためにヘルスフェアを開催。ヘルスフェアでは内科医、婦人科医、弁護士といった専門家から、600人以上(多くが女性)が無料アドバイスを受けました。

人間の安全保障基金(14)

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