第6回 アフリカ開発会議(TICAD VI)

第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)について

第6回 アフリカ開発会議(TICAD VI)(1)

TICADとは、Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)の略であり、アフリカの開発をテーマとする国際会議です。1993年以降、日本政府が主導し、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行、及びアフリカ連合(AU)等と共同で開催しています。第6回目を迎えたTICAD VIは,2016年8月27-28日に,初めてアフリカ(ケニア)で開催されました。詳しくはTICAD公式ホームページをご覧ください。


ナイロビ宣言と実施計画

8月27日~28日にかけて、第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)がナイロビで開催されました。アフリカ40カ国の国家元首を含む合計1万人以上が参加したこの国際会議は、3つの優先分野として、 1.「経済の多角化・産業化を通じた経済構造改革の促進」2.「質の高い生活のための強靱な保健システム促進」3.「繁栄の共有のための社会安定化促進」を盛り込んだ「ナイロビ宣言」を採択し、閉幕しました。

この「ナイロビ宣言」では、「保健」に関して非常に高い注目が置かれています。3つの優先事項のうちの1つ、「質の高い生活のための強靱な保健システム促進」は、G7伊勢志摩サミットから日本政府が提言している「グローバル・ヘルスの体制強化」を受けています。また、母子健康、リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(性と生殖に関する健康・権利)、家族計画、若者、女性のエンパワーメント、ジェンダー平等といった、1994年の国際人口開発会議(カイロ会議)以来の重要な課題が含まれました。この成果は、本会議に先駆けて、アフリカ各地で行われた準備会合において長期間に渡って行った、度重なる議論が実を結んだ結果といえます。

上記の「ナイロビ宣言」と同時に採択された「ナイロビ実施計画」の中では、「保健システム」に関連した内容として、以下の具体策が含まれています。

・関係各国や国際プラットフォームなどと連携し、医療従事者の能力構築、女性及び女児の保健リテラシーの強化、家族計画へのアクセス改善、母子健康手帳等の使用促進を通じ、生殖の健康、妊産婦、新生児、子ども、若者の健康に関する一連の包括的なケアを促進する。
・2030年までに公衆衛生危機としてのエイズを優先的に終結させる一部として、人権に基づくジェンダー革新的なアプローチを通じて、少女や若い女性及び対策の鍵となりかつ脆弱なコミュニティーの間のHIV感染を予防・管理するための努力を支援する。
・保健政策及びガバナンスにおいてジェンダー公平リーダーシップを確保する。

サイドイベント開催

国連人口基金は、TICAD VI開催に先立ち、8月26日に、下記の要領で「TICAD VI 参加日本企業および国連人口基金との朝食会」と「妊産婦の健康に関するサイドイベント」を実施しました。

日本企業およびTICAD関係者との朝食会開催

「TICAD VI 参加日本企業および国連人口基金との朝食会」では、日本政府外務省、日本貿易振興機構 (JETRO)、JICA、ケニア共和国政府の後援のもと、アフリカへの事業展開を計画している日本企業と国連人口基金との協働パートナーシップ構築への可能性について意見交換がなされました。朝食会は、日本企業14社から23人の方々、さらに外務省国際保健政策室長 日下英司氏、JICA人間開発部次長 瀧澤郁雄氏、アフリカの民間セクターの方々、合わせて約60名以上にご参加いただく有意義な朝食会となりました。会中盤では、所長の佐崎がモデレーターとなり、日本企業の方々に協働の展望についてご発表いただきました。


  • 日時: 2016年8月26日(金) 午前7:30-9:00
  • 場所:フェアビューホテル Pango Restaurant
  • 主催:国連人口基金(UNFPA)
  • 後援:外務省、JETRO、JICA、ケニア共和国政府
  • 司会:Mr Siddharth Chatterjee (UNFPAケニア事務所代表)、佐崎淳子 (UNFPA東京事務所長)
  • 参加者:
    - 日下英司氏(外務省国際保健政策室長)
    - 瀧澤郁雄氏 (JICA人間開発部次長)
    - Dr. Natalia Kanem (UNFPA Deputy Executive Director)
    - Ms. Gina Din (Founder and Executive Chair of the Gina Din Group, Honorary Ambassador to Kenya)
    - Mr. Bob Collymore(Safaricom CEO)、他
    - TICAD参加日本企業:味の素株式会社、株式会社AfricaScan、Maki & Mpho、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所、明和工業株式会社、関西ペイント株式会社、サラヤ株式会社、株式会社島津製作所、テルモ株式会社、株式会社トイファクトリーインターナショナル、双葉インターナショナル株式会社、富士フィルム株式会社、株式会社堀場製作所、ロート製薬株式会社、公益財団法人沖縄県産業振興公社

妊産婦の健康に関するサイドイベント

ケニア共和国政府(保健省)との協力のもと妊産婦および新生児の健康に焦点を当てたサイドイベントを開催しました。良好な健康衛生状態は、経済成長と貧困削減のための前提条件であると同時に、あらゆる国の開発目標を実現するための重要な要素です。しかし、多くの開発途上国において、妊娠や出産に関係する合併症が、妊産婦死亡の主たる原因となっています。

「妊産婦の健康に関するサイドイベント」では、日本政府外務省、国際協力機構(JICA)、ケニア共和国政府の後援のもと、外務省国際保健政策室長 日下英司氏、JICA人間開発部長 戸田隆夫氏、国連人口基金事務局次長ナタリア・カネム、およびその他国連機関やアフリカ各国の政策立案者等の登壇者を迎え、基調講演やパネルディスカッションが行われました。TICAD VIに参加していたアフリカ諸国の方々をはじめ、国連機関職員、外務省職員、日系企業関係者等合わせて約100人以上の方にご参加いただき、アフリカにおける妊産婦死亡の削減に関する経験や進歩の情報を共有する素晴らしい機会となりました。


    • 日時: 2016年8月26日(金) 午前10:00–12:00
    • 場所:ヒルトン・ナイロビ・ホテル
    • 主催:国連人口基金(UNFPA) 
    • 後援:外務省、JICA、ケニア共和国政府
    • 参加者:
      - 日下英司氏(外務省国際保健政策室長)
      - 戸田隆夫氏(国際協力機構(JICA)人間開発部長)
      - Dr. Stephen Macharia Kamau (on behalf of the Minister of Health of Kenya)
      - H.E. Dr. Tedros Adhanon (Minister of Foreign Affairs of Ethiopia)
      - Hon. Dr. Aceng Jane Ruth (Minister of Health Uganda)
      - Dr. Mustapha Kaloko (African Union Commission Department of Social Affairs)
      - Hon. Dr. Olanrewaju Tejuoso (Chairman of the Nigerian Senate Committee on Health)

    世界の妊産婦の健康に関するデータ
    - 毎日、830人の女性が妊娠と出産の際に死亡している
    - サハラ以南地域の女性の約40%が専門技能者の立ち会いなく出産している
    - 世界の10代の妊娠のうち、11%をアフリカが占めている
    - 10代女性の妊娠の約50%はアフリカで起きている
    - 妊産婦死亡率に加えて、産科フィスチュラなどの妊産婦の罹病も深刻である
    - アフリカでは、新生児1,000人のうち、約55人が生後1ヶ月以内に死亡している

母子保健に関するセミナー

今年7月に、新たにUNFPAの新事務局次長として就任したナタリア・カネム (Natalia Kanem) は、上記2イベントに参加したほか、安倍昭恵首相夫人が、TICAD VI配偶者プログラムの一環として、マーガレット・ケニヤッタ・ケニア大統領夫人と共に開催した、母子保健に関するセミナーに参加し、アフリカにおける母子の健康に関するプロジェクトへの投資の重要性を訴えました。